月の恋人






震える手で扉を開けると、

暗闇に慣れきっていた目を、強烈な光が刺した。




眩しさに、目がくらむ。





思わず閉じかけた目に

ひとつ、…小さな影が飛び込んできた。








――――…







あたしの衝動を解放したのは

やっぱりあの子だった。





どうしてだろう。




どうして、この子は


あたしの必要なものを

必要なときに


こうやって、与えてくれるんだろう。





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