月の恋人






















「――… 涼……っ!」















想いが――…、溢れる。







そこにいたのは、間違いなく、涼だった。

夢でも幻想でもなく、現実の。







感情が、堰を切ったように後ろから押し寄せてきて

あたしはたまらず、涼にしがみついた。













「陽菜――…」







おひさまの匂い。

涼の、匂い。




あたしをどこまでも安心させてくれる、

大好きな、涼の匂い。











< 420 / 451 >

この作品をシェア

pagetop