不器用男子
 相手の名前を見たとたんベッドから落ちた。


「…もっ、もしもしっ!!??」


「あー…俺だけど」

「千隼…?」


 頑張って冷静さを装うけど胸はバクバクしてる。


「今日飯いらないから」

「え?」

 ずいぶん省かれて話された気がする?

「しょっ、食欲ないの?」

「…友達と食うから」

「そっか…。 分かった。」

 そう返事をするとなにも返ってこないで電話を切られた。

 もう少し、何か喋りたかったって言ったら欲張りになるのかな?


「…そっけないな…」

 少しの憂鬱感を持ちながら食堂に足を運んだ。


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