不器用男子
【千隼】

 木下 千隼。 高2。


 よくクールとか大人っぽいとか言われる。


 よくわかんね。



 昔から常に1人だった俺は、親と一緒にいる気もなくなんとなく寮に入った。


 そこにいるみんなは優しくて面白くて…楽しかった。


 まぁ…変わったのはそのあたりから。


 前よりは人との関わりを持てるようになったし、笑えるようにもなった。

 それなりに女とも付き合ってた。


 別に好きってわけじゃなかったけど、断るのが面倒だし騒がれるのもヤダったから。



「そんな人だとは思わなかったー。」
「別れよー?」


 何人にも同じようなことを言われてきた。

 別に何とも思ってないけど。


 そんな生活も飽きて高校生になってからは女とは関わらず、男友達多いです的な人で生きてきた。


 それで十分。

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