花を愛すように君を愛そう。




当然御祖母様は反対しました。



あの部屋は決していい存在ではありませんから。



しかし、その時の当主はお父様。



当主の命は絶対という家訓に従い、私は檻に入ったのです。




檻はとても寒く手の先の感覚が無くなるほどでした。



そこはお父様の監視下で御祖母様は立ち入ることができない場所。



その中で私は、


必死に生きていました。





食べ物なんて与えられない。


寝ることさえ出来ない空間。




三日ほどで体は限界になり、



動けなくなった私。




これでやっと母に会える。




そう思った時。




貴方の声を聞いたのです。




「さくら!!」



私を呼ぶ貴方の声を。






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