花を愛すように君を愛そう。



……それから何日か、菖蒲さんの家にいた記憶があります。


菖蒲さんの家にはお母様がいません。

だから、叔母さまが面倒をみてくれてました。



叔母さまは普段厳しい方なのですが、私を撫でる手は優しい。



私の理想のお母さんな人です。



あの時も


今も。




私は菖蒲さんに頼りすぎだ。




今だって、逃げ場を求めるあまり


菖蒲さんに電話をかけてる。



ピッ



「菖蒲さん?
私、さくらです。


今から、

家にいってもいいですか?


はい……。

じゃあ、あと5分ぐらいで着きます」



こうして匿って貰おうとしてるの。



私が弱いから……なんですがね。










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