あやめ
ある晴れた日曜日、あやめはベランダの前に寝そべって、外を眺めていた。
その日の空はどこまでも青く、窓枠で切り取られた四角い空を、時折白い雲が横切った。
「あやめ、出かけようぜ」
遅くに起きてきた隆が、あやめの上着を手にして言う。
戸惑うあやめに、隆は上着を着せて、前のボタンまで止めてくれた。
外に連れ出されたあやめの頭に、あやめには大きすぎる赤いヘルメットが乗せられた。
隆の手によって、顎の下で紐がとめられる。
「嫌か?」
少しだけ心配そうな隆に、あやめは首を横に振って答えた。