from Maki to Kazu.from Kazu to Maki
> 「生きてるだけで丸儲け」って誰かが言った言葉が
> 一人歩きしているけれど、そう思えるのは幸せなことですね。
 うん。。前向きなときでなくても、その方はそう思えるのかな。。幸せ。。多種多様な幸せの意味。それでも幸せの意味拾いが少しだけ上手ならば、私達はきっと大丈夫だと思う。そう思わない?たまに、思う。考えすぎって、本当に困る。何処で分かれてしまったのだろう。気付いた?と考えるべき?
 23の頃、毎晩のように親友と飲みに行っていたレゲエ・バーがあって。マスターとマスターの弟、兄弟でやっていたお店。マスターは私より6歳上で弟は同じ歳。ボブ・マーリーを愛してる人だった。親友も私も、当時はいっぱいいっぱいだった。苦しくて。それでも親友の涙酒に毎晩付き合っていた。幾らジンライムを飲み続けても酔えない私、ビールをチビチビ泣きながら飲み付き合っていた彼に別れを撤回してもらおうと策略を練る彼女。マスターが酔い、泣いている彼女を横目で見て私に笑いかけ言った。「キミの問題は?」多分、通い始めて2年くらいだったかな。いつも決まった時間に行き、カウンターの決まった席に座る私。私は言ったの。「淋しい」一言だけ。彼は言った。「皆、淋しいんだよ」心の中で納得しながら頷きつつ、反感を持っているのに気付いた。5年、通った頃、彼らを越えてしまった気がして「卒業する」と言い残し、私達は行くのをやめた。超えた、この感情をあまり説明したくないけれどそう感じたの。私は彼らの人生にいつの間にか巻き込まれてた。彼らは私と彼らが決めていた線を越えて寄って来た。それで、かもしれない。お酒の世界、夜の世界で生きる人間は夢を語る。それは美しい。それは儚い。しかし、それだけでは人生はうまく回転させられず生きてはいけない。生活があるから。何となく、そう感じたの。当時は。そのマスターを上野で見かけた。最近。駅に迎えに行った車中、彼が目の前を歩いていた。髪は膝まで達し、酷い格好だった。酷い、そう敢えて書く私は罪人かしら。。
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