君がシンデレラ!



あぁああ、やばいよ、こんなん見られたら女子たちに確実に殺られるよあたし

半分死んだ目をしながら黙って関谷海についていくと、校舎裏についた。

彼の足が止まると、あたしの腕を掴んでいた手も離れた。

でも、なんでまたこんな遠くに………
あ、人気のない校舎裏といえば……………



「もっ、もしかして告白!!?」

「は?」



あ、あたしとしたことが!

妄想が口から飛び出てしまったよ。
ないない、あの関谷海に限ってあたしなんか



「あんたが人前で話しかけんなっつーからじゃん」



あぁ、だから、わざわざ人気のない所で…?

関谷海はあたしの目の前にしゃがむと、紙袋からガサゴソと靴を取り出した。



「ん、」



そしてあたしの足元にそれを置く。



「履かねぇの?」

「えっ、これ、あたしに?」

「これ俺が履くとでも思うか?
名前書いてんだから、あんたんだろ、“宮里さん”」



あ、ああ、そうか

昨日、靴屋さんで見かけたのはこれを買ってたからなのか

でも、あたしのために…?



「ぴったりだ」



用意された靴を履くと、サイズがぴったりだった。



「そりゃあそうだろうな」



あ、そっか、関谷海はあたしの靴持ってんだった。



「たっ、たまたま宮田さんと靴のサイズも同じだったってわけね!」

「あのさ、その設定っていつまで「だから、あたし宮里!だからね!!!」



食いぎみで主張すると、関谷海はため息をついた。



「あー、そうだったな」



じゃ、と言って去ろうとする彼を、あたしはなぜか引き留めてしまった。



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