追いかける背中

入学式

「全員揃いましたか?じゃ、入場しますよー」
女の人が、携帯で連絡を取り合っている。
ガチャンッと、大きな音を立てながら開くドア。
ばかでかい音のアナウンス。
《これから、新入生の入場です》
アナウンスと共にわき起こる拍手。
拍手の大きな音に少し驚くながらあたしは入場した。
《最初の生徒は、高岡中です。この学校からは、28人の生徒が生まれました。》
アナウンスは、学校の説明をする。
《次は、仙波中です》
あ、剛くんの学校だ!
《この学校からは、5人の生徒が生まれました。》
少ない!
この列は、学校順に並んでるため、剛クンは前の方。
そういえば、並んでるとき、少ないなーって思ったんだよね。
《最後は、竜山中です!》
あ、あたし達の学校だ!
アナウンスの瞬間、女の黄色い声が聞こえた。
男からは、おぉー!と、喜んでいるような声。
嘘でしょ?
って、喜んでるのは、秀とか、奈々でしょ?
あたしは関係ない!
《一番最初のは、堀口奈々さん》
って!名前発表するの!?
《二番目は増田沙帆さん!三人目は咲口優さん!》
名前を言っていくごとに、おぉー!が大きくなる。
《四人目は、柊秀さん!》
きゃぁぁぁぁぁーー!って、うっさいわーっ!
でも、さすが秀。
中学でモテれば、高校でもモテるんだねー。
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