【短編】冷たい彼氏




突然名前を呼ばれ、振り返ろうとすると



後ろからギュッと抱きしめられた。



「椎依……」



あたしの耳元であたしの名前を呼んだのは…



「お兄ちゃん…でしょ」



「てへッ」



……なんで出てきたの?



普通ここは龍平が追いかけてきて…じゃないの!?



「何してんの?」



「お前こそ、まだ学校の時間だろう?サボりはダメだぞ。サボりは」



「うるさい。お兄ちゃんには関係ないでしょ!?」



と言うのと同時に涙が出てきた。



「おぃ、椎依!?」



「おにーちゃぁん……」



抱きついて、泣く。



悲しいよ、お兄ちゃん。



お兄ちゃん。



「ちょっと何してんの?」
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