月の輪
起きたら、千歳が俺の隣で寝ていた。
「…すぅ。」
やっべぇ!!かっわいー!
「ち、千歳?ち・と・せ?」
起こしたらわりぃな。
「ちょっと、外行ってくるな。」
千歳を布団に寝かしてそっと言った。そして、外に出た。風邪は大分良くなった。俺ら妖怪は、治癒力が人間に比べると高い。薬とかはよっぽどでなければいらない。
「んーっ。っはぁ。」
やっぱり、木の上が落ち着く。部屋は、なかった。と、いうより、いらなかった。兄弟に全部やったし、すぐ飛んで行けるから。俺、ずっと待ってたんたぜ。お前に逢えるの。
「なぁんて、言えるかっての。」
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