月の輪

知るコト…

「~…っは!!」
あれ??
「榊!?」
「何?」
あ…居た…。
「良かった…。」
「ん?」
傷も治ってきてる。
「んだよ…何かついてる?」
「いや…。」
「何?」
「いや、その…。き、傷!そうっ傷!治って良かったな!」
「ん?ああ。まぁ、ちょっと休みゃ治るさ。妖力使っただけだからな~。」
「ようりょく?」
「生命力みたいなモン。力の源。」
「!?何で!!」
何故、そんな大事なモノを!!
「あっそーだよ!お前なぁ!他のヤツがここに攻撃しようとしてたぞ!?大丈夫だったか?一応、出来るかぎり…消した…。」
消した?まさか…!
「ち、ちげーよ?殺してはないからな!一人も!もっとも、ちょっと妖界に送って、俺の一族に見張らせてるけどなっ!向こうは気ぃ失った仲間見て、俺が殺したと思ったみたいだけど…、俺がそんなことするわけねぇじゃん!」
「妖は人を喰らうモノだろう?」
「そうゆーのもいる。俺は違う。それに…。」
「それに?」
「千歳は、嫌だろ?殺しとかは…。俺も嫌だし…。」
何だろう…。この感じ。くすぐったいような…。もしかして、この感じが…?
「千歳?どうした?具合が悪いのか?」
「いやっ大丈夫だ!何でもないぞ!」
顔が、近い…。心臓が張り裂けそう…。
「?ま、いいけど。」
「さっ榊は、私の何処が良いと言うんだ?」
しまった!!!聞くんじゃなかった!!は、恥ずかしい!!
「やっぱり今のは―!」
「笑ってるところかな。すっげー可愛いし、すっげー守ってやりたくなる。」
「…!!?」
「他にも沢山あるんだけど、言いきれないから、それだけな。」
「う、うん。」
あぁ、もう!私らしくない!どうしよう、どうしようっ!
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