クマさん、クマさん。


「どういう事だよ?」


「あたしは・・・心の底から朋秋を好きにはなれなかった」


「は・・・?」


「あたしの心の中には、中学の頃からずっと好きだった人がいたの」


なんだよそれ・・・。



「昨日、朋秋と一緒にいた時・・・会ったでしょ?」


「・・・あの男?」


「・・・うん。あの人のことがずっと好きだったの」



好き・・・?

俺じゃなくて、あいつを?



「あたし・・・あの人に告白したけどダメで・・諦めた。でも・・・やっぱり忘れらることなんてできなかった。

・・・1年間、朋秋と付き合ってきたのに・・ごめんね」


菜摘は涙を流しながら言った。

なんでお前が泣くんだよ・・・。


「泣くなよ」


「・・・ごめん」


俺が泣きてーよ・・・。

なんでだよ・・・。


なんで、こんな時になって・・・・・


















菜摘の大切さに気づいたんだよ・・・。



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