クマさん、クマさん。




あれから4年・・・。


菜摘以上の人は現れてはいない。



あんなに安心できたのも


あんなに相手を愛しいと思えたのも



・・・――――菜摘しかいなかった。





「・・・俺って馬鹿だよな」


今好きだと気づいても、菜摘は帰ってこない。



好きだと菜摘に伝えても、もう遅い。



だから俺は、もう恋をしない。




こんなに辛い想いをするなら



こんなに後悔するなら




恋なんていらね―・・・。



「朋秋、今日合コン行かね?1人足りないんだわ」


「おぅ・・行くわ」



女に求めるのは体だけ。

気持ちなんていらない。



欲求を満たすならどんな女でも構わない。





そんな気持ちでいろんな女を抱いた。



抱いている時だけ、菜摘を忘れられた。



でも行為がすんだら頭の中は菜摘ばかりで・・・


自分の頭の中を壊したいぐらい菜摘一色だった。







でも、俺はこの4年間考えていた。



俺は菜摘が好きだ。


でも時が経つに連れ、好きな気持ちと罪悪感があるから忘れられないのではと考えていた。



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