クマさん、クマさん。
「菜摘・・・これからも幸せにな」
これが最後・・・。
もう菜摘とは連絡を取ることはないだろう。
『・・・うん。朋秋も、大切な人を見つけてね』
「おぅ」
『じゃあ「ママ―」』
ママ?
「菜摘・・・結婚したのか?」
『えへへへ・・・うん』
あの菜摘が結婚・・・。
それに子供まで・・・。
まぁ、4年もあれば菜摘も結婚するか・・・。
「相手はやっぱり・・・」
『うん。あの時の彼』
俺と菜摘が別れて4年・・・。
俺が無駄な時間を過ごしていたのに、菜摘は幸せの道に1歩ずつ歩いていたんだな・・・。
「菜摘・・・おめでとう」
『ありがとう「ママ―?だぁれ?」』
電話越しに菜摘の分身がいる・・・。
そう考えたら、なんだか笑えてくる。
俺のことなんて言うんだろう?
『ママの好きだった人だよ』
――――電話越しに聞こえた菜摘の言葉にやっと菜摘への気持ちから解放された気がした。
菜摘・・・ありがとう。
「菜摘」
『ん?』
「お前は最高の彼女だったよ」
『・・・朋秋』
「菜摘、子供を大切にしろよ」
『もちろん』
「じゃあ、バイバイ」
『・・・バイバイ』