クマさん、クマさん。
「恵美っ!」
「あ、朋秋」
菜摘大好きだった。
だからこそ、別れる時も嫌だった。
あいつらが付き合う事も祝福できなかった。
菜摘の笑顔をあいつのおかげだと認めたくなかった。
でも、今なら祝福できる。
認められる。
「恵美、はい」
「わぁ―!ヒマワリ!」
ヒマワリの花言葉。
あなただけを見つめる。
「恵美、これからもよろしくね」
今度は大切な人だからこそ大切にしよう。
「当たり前だよ。あたしはあなたの妻なんだからね」
当たり前を当たり前だと思わないように。
「恵美、行こう」
「うんっ」
菜摘・・・・俺と付き合った時の笑顔じゃなく今の笑顔で笑っていろよ。
「菜摘・・・お幸せに」
これからは恵美・・・大切な人を守りつづけるよ。
『丹田 朋秋。-笑わない彼女-』
-END-