クマさん、クマさん。


「おはよう、なっちゃん」


あたしの朝は親友のアオイの声で始まっていると思う。


「おはよう」


「なっちゃん聞いて、昨日ね」


アオイは素直な子だ。

好きだと思えば素直に好きと言える。



あたしと正反対な女の子だ。


「なに?伊能となにかあった?」


伊能はアオイの彼氏だ。


中学から両思いだったのに2人とも気づかなくて、高校3年の秋にやっと2人は結ばれた。



「う・・・うん」


アオイは顔を赤くして頷いた。


伊能もこんな所が好きなんだろうな・・・。




素直なアオイが羨ましいよ。



「そういえば・・・なっちゃんはどこの大学に行くの?」


今はもう12月進路が決まっている人がいる中、あたしはまだ決まっていない。



「・・・まだなんだ」


成績は普通より上で、行ける大学はたくさんある。



・・・でもあたしは悩んでいた。



< 2 / 138 >

この作品をシェア

pagetop