クマさん、クマさん。
別に行きたいと思う大学がない。
ただ、あたしはクマさんと一緒の大学に行きたいと思っていた。
クマさん・・・――――本名、熊谷空也《クマタニ クウヤ》。
あたしの好きな人。
クマさんは体格が良くてあだ名の熊みたいにガッチリしていて、でも性格はほんわかしていて和む存在で
あたしはずっとずっと・・・ずっと前からクマさんが大好きだった。
でもクマさんはあたしの想いなんて気づかない。
中学3年の時、クマさんと話している時に近くに伊能がいることに気づいていたあたしはクマさんに
「あたしとアオイはK高行くよ」と伊能に聞こえるように言った。
伊能がアオイを好きなことは知ってたし、それで2人が同じ高校に行けると思って言った言葉。
でも、本当は少し願っていた。
あたしがK高に行くと聞いてクマさんもK高に来てくれるんじゃないかって・・・。