クマさん、クマさん。




それから1ヶ月考えて出した答えは夢だった。




つまり、俺は"なっちゃん"より"夢"を選んだ。




先生は俺が出した答えに"分かった"しか言わなかった。





そして、夏休みに入り3年振りになっちゃんに会った・・・―――――


図書館に行くと偶然なっちゃんがいた。



「・・・なっちゃん」



久しぶりに会ったなっちゃんに俺は驚いた。


中学の幼さが消え、大人っぽくなっていた。



「あ・・・クマさん」


俺を呼んだ瞬間なっちゃんは笑った。


大人っぽくなっても、笑顔は変わっていなかった。



「久しぶりだね」


「そうだね。卒業式以来だよね?」


「そうだね・・・俺のこと覚えてた?」


「覚えてるに決まってるよっ」


良かった・・・。

"正直忘れちゃってた"って言われたら立ち直れなかった・・・。



「クマさんはどこの大学に行くの?」


一瞬あの時を思い出した。


高校受験の時になっちゃんに聞かれた。

"クマさんはどこの高校に行くの?"を・・・。



「どこだと思う?」


「・・・T大?」


「・・・ハズレ」


あの時と・・・一緒だ。


「ぢゃあ・・・どこ?」


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