クマさん、クマさん。
「"なっちゃん"のことだよ・・・」
「・・・」
「・・・昨日の言葉、嘘だよな・・?」
「・・・」
「あんなこと言ってたけど本当は好きなんだろ?」
「・・・」
俺はなにも言えなかった。
"好きじゃない"とも
"本当は好きなんだ"とも
どちらも言えなかった。
「クマ・・・何とか言えよ」
「・・・ごめん」
俺は一言だけ言うと、カニをおいて屋上から出た。
・・・―――――俺は自分の気持ちと向き合うことから逃げたんだ・・・。