クマさん、クマさん。
♪~♪♪~~♪~
うるさい。
~♪~~♪♪~♪~♪♪~
寝かしてくれ。
目を少し開けて画面を見る。
こいつ・・・ハァ。
♪♪~♪~ピッ「はい」
『あっ、クマ?俺、俺。ヘロ~』
「・・・」
『あれ?もしかして聞こえてない?ヘロ~?』
「あのさ、時差って知ってる?」
こっちは夜中なのに電話はないだろ・・・。
『そういえば、そっちは夜だったな。元気?』
少しは悪びるぐらいしろよ・・・。
「元気だよ。カニは?」
『俺も元気~。仕事どうだ?』
「まぁ順調かな。あと嬉しいことがあったんだ」
『なんだよ?』
高校を卒業して6年が経った。
カニはT大に行き、俺は外国に行った。
冬にカニと気まずくなっていたけど、なっちゃんと話した次の日からちゃんと学校に通い出し、
カニとも気まずさがなくなった。
そしてカニとの仲は今も続いている。
カニは大学を出て、カメラマンになった。
元々カニはカメラが好きでその道を歩むことに決めた。
――――そして俺はずっと夢みていた通訳の仕事を手に入れた。