クマさん、クマさん。
俺は忘れられない女がいた。
「トモ~、今日は泊まるよね?」
「あぁ」
はっきり言って俺に弱点はないと思う。
優秀な会社に入れたぐらいの知能、
剣道で全国までいったぐらいの運動神経、
モデルにスカウトされたぐらいの顔、
すべてに満点を取れるぐらい、俺に弱点はなかった。
そんな俺が、1人の女に満足する訳がない。
常に俺は3、4人彼女がいた。
悪いとは思わなかった。
だってそれが"俺"だからだ。
でも、1度だけそんな"俺"に後悔したことがあった。
1人の女・・・笑っているようで笑っていない女、
初めて心から、ずっと一緒にいたいと思えた女、
菜摘・・・――――――――
菜摘と別れた時、俺は"俺"を初めて悔いた。