甘いキスの魔法
「なーんかあった?」
高原が俺を見下ろしながら聞いてくる。
「…な、なんもねーって!」
そういってるのにも関わらず、高原は
「ごまかしても無駄だよなー
だって輝、昼飯も食わず
付き添ってたしなー」
と周りにいるやつを頷かせる。
「だーから…!なんもねーって」
そういって高原の手を避ける。
「ひか…」
──キーンコーンカーンコーン
ちょうど良いとこで高原の言葉を遮るように授業開始の鐘が鳴った。
「ほらー授業始まんぞー」
今から始まる授業の先生がそういって俺の周りに集まって来ていたやつらは不満げな顔を残しながら席に戻った。
………………………良かった。