甘いキスの魔法
「―――やめてくださいっ」
歩いてる途中、俺くらいの年の
男達の集団の輪の中から
女の子の高い声が聞こえた。
聞いた事のある声だなあ、
と思いつつゆっくりとその
輪に近付いて間からみて見ると
――――――梨音がいた。
「や…っ」
―――――――バサッ
梨音の悲鳴とともに
梨音の手から何かが落ちる。
あー〜。もう、
こういう時小さいって不便だ。
なんにもみえねぇし。
だけど、ただ一つ聞こえるのは梨音の泣き声。
男達を端から端までと、見渡すと結構な人数で。
…………あぁ…めんどくせぇ。
そう思いながら男達の輪の中に入っていった。