トランス!
第1章 優しい風に包まれて…(笑)

『くっ…あ、あと、少し…り、凛!』


「あいつ等…最近人気だな…」

 まだ残暑厳しい今日この頃…俺は、いつもと変わらぬ日々を送っていた。
 
 …筈だった。

 いつもの様に飯食って、いつもの様に学校行って…と、言う様な、何処にでも在るような日常とは少し…いや…かなり違ったものになっていた。まるで、



 ツッコミとボケが逆転した、お笑い芸人のように…な…。







 「おにーちゃーん、早くしないと遅れるよー」
 「うーーい」
 
 ああ、そうだ…自己紹介がまだだったな。俺の名前は―
 「うわぁっ!」
 「はよっす!」
 「あ、ああ…はよっす」
 …えっと…紹介しなきゃ、ダメ?…だよなぁ… あー…こいつはミナミ。少し(?)男っぽいが…まあ、あれだ。その…すっ…スタイルが良いって言うか、グラマラスっていうか…。
 「光~?なんか変なこと考えてるっしょ?」
 「い、いや?そんなこたないぞ?ハハ、ハ…」
 ううっ!さすが、カンが鋭いことで…。 
 …ん?…あ、そっか!えぇっと、ミナミの言ってた光ってのは、俺の事だ。覚えておいた方が得っちゃ得だな。
 
 「おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいっ!!!!!!!!!」
 「なげえんだよ!毎度毎度ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
 「お、おい、ミナミ…」
 この、最初の台詞だってのにただ長いだけの可愛そーーーな眼鏡はベルガーだ。たしか…イギリスとのハーフだった様な…あ、あとオタクー―
 「ただのオタクじゃ無いぜぃ?」
 「おわっ!いきなり入ってくんじゃねえよ!」
 「てか、どんなオタクなんだよっ!」
 「スーパーウル…」
 「ダメオタか…」
 「ちっがーーーうっっ!」
 あ、あはは、は…。

 


< 1 / 9 >

この作品をシェア

pagetop