恋愛倶楽部 -love-



過去はいつだって変わらない。

綺麗な思い出は、これからもずっと綺麗なまま。


きっと良かったんだよ、これで。

あたしは新しい恋をして、あいつも幸せになる。






「………そっか、じゃあ遠慮なく」

「えっ!?ちょっ」



さっきの、しんみりした雰囲気はいったい……。




「オレの攻略対象にゆゆ追加、っと」

「なにバカなこと言ってんの。
放してったら」


いつもの笑顔に表情を変えた奏斗が、ここぞとばかりに抱きついてくる。


こいつ、話題コロコロ変えるけど表情もかなり変わると思う。




「もうオレ、ゆゆ待ってて疲れたし」

「だから?」

「寄りかかっていい?」

「却下」



さっきから却下しか言ってない、なんて文句をぶつけられたけど。

おまえがロクなこと言わねぇからだろ。



「今すぐ離れないと通報するよ」

「こんなの罪の内に入んないってのー」

「ふふ、どうかな」



ケータイを取り出し電話帳を開く。


相手はもちろん

「風音?
今、奏斗に襲われてて」

「はっ、ゆゆ、オレを殺す気か!?」



翌日、奏斗が風音からありがたい不幸をいただいたのは言うまでもない。






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