GOD GAME
「モンスターに会わなくてラッキー★
早く行こーよ★」
奏ちゃんが相変わらずのテンションで水城の服を引っ張っている。
確かにモンスターに会わなかったのはラッキーだ。余計な力を使わずに済んだし、僕が目を覚まさなかったから足手纏いになっていたはず…
でも、逆に言えば、経験値が得られないということ。下手したら今のままのレベルでボスと戦うことになる。
攻略本でもあればどれくらいの実力があれば勝てるのか分かるんだけど…
今僕らのレベルは40前後、ジャストブレイクを狙えばもっと簡単に上げれる。
まぁ魔王の間に着くまでに少しぐらいは会うだろうけどね。
幸い僕らには血濡れの刀がある。
ジャストブレイクもしやすいし、かなりついているといえる。
だって、あの百合菜って人もあの時のレベルはちょうど僕らと同じぐらいだった。あの人は明らかにやりこんでいるにもかかわらずだ。
「とにかく、中に入んねぇとラチがあかねぇ!
俊、奏、早く飛んでくれ!」
水城の声で僕はようやく我に返った。
そして、МРを500消費し、城内へと入ったんだ。