好きなんだよ?
グイッ――
…あの、この人
寝てるんですよね??
どっからそんな力
出るんですか??
今私は翔ちゃんの
上に乗っています。
乗るっていうか
私が翔ちゃんに
覆いかぶさる
状態。
「…っ。」
びっくりすぎて
言葉も出ない。
心臓は張り裂けそう
なくらい音をたてる。
とりあえず、
ここからよけようと
少し体を動かすと
グイッ――
「きゃっ…」
小さな私の声は
翔ちゃんの寝息に
消される。
これは…やばくない??
この状態は完全に
やばい…。
だって、翔ちゃんと
上下逆転して
私が翔ちゃんの
下に入っている
状態。
「しょ、翔ちゃん…」
か細い声で言っても
翔ちゃんの耳には
届くはずもなく、
まだこの状況でも
眠っている様子。
てか、むしろ
顔が近づいて
きてるような…。
えー待ってまって!!!!!
翔ちゃんだめー!!!
キスされるっ!!!
と思って目を閉じた
3秒後ずっしりとした
重みで目を開ける。
「スーッ…スーッ…」
翔ちゃんって
夢遊病?!?
もう、心臓
持たないよ…。
翔ちゃんの顔は
私の首筋のあたり。
翔ちゃんが息を
するたび熱い息が
かかる。
抜け出したくても
翔ちゃんの重みと
腕を押さえられて
いるので抜け出せない。