君と過ごした日々
そしたら…
君を縛り付けておきたいなんて願わないから。
でもね、君が俺だけを見ていてくれるなんて有り得ないから。
だから、アイツを潰したくなるんだ。
「………あ、」
ふと、綾が小さな声をあげた。
不思議に思った俺は、綾の視線の先を辿る。
「……アイツら、」
なんで俺等の前に現れるんだよ。
せっかく綾が無理にでも笑ってくれていたのに。
お前のせいで悲しそうな、辛そうな顔になっちまったじゃねぇか。
何やら言い争いをしているらしき二人。
里桜と、智士。
その二人に近寄っていこうとする俺を、綾が驚いた顔で見上げる。
そんな顔したって、さっきまでの君の辛そうな顔は目からこびりついて離れない。
そんな顔をさせてるアイツが許せないんだよ、綾?
「何も…しないから。」
そう優しく囁きかけたら、綾は安心したようで。
アイツらの元へと歩く俺の後を、ちょこまか追いかけてきた。
「ほら、あそこ行こ!!あそこ!!」
「えぇ?どこぉ?」
「え、っと…」
「んー?」