君と過ごした日々
「ねぇ、綾。」
先輩方と同時に部活を切り上げてきたうちらは、2人、陽の当たらない裏門に立っていて。
「…なぁに?」
この雰囲気とは似つかわしくないほどの明るい声を出して振り向けば、
「何を…隠そうとしてるの?」
春香は俯いてて表情は窺えなかった。
こんな春香に、嘘は通用しないって思った。
でも、うちって弱いじゃん?
だから、
「何もないよ。」
ほら、嘘しかつけない。
「綾、」
「もうっ、
…もう、ほっといてくれないかな?」
春香の顔は、見えない。
いや、違う。見ない。
うちはもう、友達の傷付いた顔なんか二度と見たくないから。
…結局、自分はまた同じ過ちを犯してしまうのか。
でも、これ以上傷付けない方法があるのは知れた。
「…はる、」
「ばかっ!」
「……え?」
「ばかばかばかっ!何が『もうほっといてくれないかな?』よっ!
そんな泣きそうな顔で言われて、はい、そうですか、なんて引き下がれるわけないじゃんっ!」
「………。」
だからうちは、弱いんだよね。
突き放して終わろうと思ってたのに、もう決心が鈍ってしまったんだもん。
「あたしは、綾が嫌いって言っても、離れない!」
…なぜあなたは、私の逃げ道を塞ぐの?