君と過ごした日々
色々聞きたいことはあった。
けど
『何で春香?』
どうしてそこで春香が出てくる?
今の脈絡からは微塵も感じ取れなかった。
『…聞いてないんだ。
まぁ言えるわけないか。
とにかく、里桜が言いたいのは、ライバルは里桜じゃなくて、あの副級長の綾って奴よ。』
『なんで綾なの?』
だって綾は、うちが智士を好きなこと知ってるし…。
『アイツだからよ。
あんたは身近にいるから分かりづらいかもしれないけど、端から見れば一目瞭然。
明らかに他の男子と智士との接し方が違うよ。』
『だってそれは級長と副級長だからでしょ?』
里桜の言っていることに何一つ納得できず、反論してしまう。
だっつそれはしょうがないじゃん。
仕事だもん。
『それにしては距離が近すぎると思わない?』
『そうかなぁ…。』
別にそこまで感じないけど。
『…あんたってつくづく甘いね。
そんなんだから騙されるのよ。
これを見てもまだそんな甘いこと言ってられる?』
そう言って里桜ちゃんが取り出したのは携帯だった。
持ってくるの禁止のはずなんだけどなぁ。
『一体何を…』
どうせ大したものじゃないと思ってた。
今初めて喋った子より、ずっと友達やってきた子の方を信じてた。
でも、
『何…これ…。』