君と過ごした日々
差し出された携帯の画面に写ってたのは一枚の写メ。
そこには、真っ暗な中、綾と智士の二人が並んで歩いてる写真だった。
偶然にしては、周りに人が少な過ぎるし、暗すぎる。
『これ、里桜が家帰ってから学校付近を散歩してた時に撮ったの。
時間は…7時位かな?
こんな時間に二人で並んで歩いてるっておかしくない?』
綾を信じてた。
いつもうちの話を聞いてくれる、優しい綾を信じてた。
…でも、もう信じられなくなった。
『そこで真弥ちゃんに相談なんだけどさ。
綾とケンカしてくれない?
そうすれば何かと見えてくると思うし。』
うちは、その里桜ちゃんの案に乗った。
でも、まず綾の気持ちを知りたかった。
だから…
―――――――――……………
「聞いてみたんだけどな…。」
まさかあんな風に返されるとは思わなかった。
お陰で不自然なケンカの仕方にならなくて助かったけど。
「ねぇ、真弥。
里桜に何を言われたの?」
春香は理解してくれるんだろうか?
…無理だな。
恋をすると、醜い気持ちが芽生えるってほんとだな。
綾が倒れて、ざまぁみろって思ってる。
うちはただ、里桜ちゃんの言ってた事が嘘だって思いたかっただけだったのに。
{真弥said 終わり}