水島くん、好きな人はいますか。




日曜日を迎え、勉強会が行われる学校近くのファミレスへ赴いた。


午後1時の10分前に到着するように向かったら、瞬としゃべっていたみくるちゃんがいち早く気付き、手を振ってくれた。


ふたりの他にも男女が4人いた。


「早いね! てか私服かわいいじゃん!」

「あ、ありがとう……」


今日は意識してボーダー柄のキャミワンピを着てきたんだけど、女の子っぽすぎるのは恥ずかしくて、デニムワークキャップと黒のジャケットとショートブーツを合わせてみた。


すごく悩んだ。今さらになって生足が恥ずかしい。


「好み似てるかも。今度一緒に買い物行こうよー」


似てるのは丈が長めなジャケットのみです!


みくるちゃんが着るシンプルな白いロゴTシャツに淡いベージュのジャケット、特に紺色のかぼパンはかわいいと思うけど……。


曖昧に笑うわたしは感じる視線が怖くてうまく言葉も出なければ、瞬の顔も見られない。


「……おい。なんでここに万代がいるんだ」


――え?


「決まってるじゃん。今日の勉強会に誘ったからだよ」

「はあ!? 誘ったって……聞いてねえぞ!」


驚いて瞬を見れば、同時に視界に入ったみくるちゃんが顔の前で両手を合わせていた。


う、嘘でしょ……。瞬のこと説得できるなんてすごいと思ってたら、説明無しのぶっつけ本番!?


ちょっと待って。じゃあ今からわたし……。

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