水島くん、好きな人はいますか。
「わ、わたしが、水島くんの、」
「俺の着地ミス! 木ぃつたって下りればよかったんに、上履きで調子のったけん」
1週間以上前、わたしがメールを無視したせいだ。
タイトルだけ見て削除しちゃった。また閉じ込められたのか、って。水島くんならひとりでどうにかできる、って。知った風に、身勝手な理由を優先して無視した。
「ごめんなさい……」
怖くないわけがない。いくら運動神経がいいと言っても、一歩間違えて事故に繋がる可能性だってあるのに。
「ごめんなさい、水島くん」
頼ってくれたのに、助けてあげられなくて。
「万代」
視線をあげれば、水島くんが微笑んでいた。
……どうしてそんな、困ったように笑うんだろう。
「けぇええええ!!!!」
「ひっ!」
玄関の開く音がしたかと思えば、大声が壁を突き抜けた。
「あ、俺か。ケエじゃなくてケイなんじゃけど」
水島くんが呑気に言ったあと、外れると思うほどの勢いでドアが開く。
「京てめ……っ! まじで上がり込んでんのかよ!」
インターホンを鳴らさず家に入ってくる人なんて瞬しかいない。いないけど、どうして今ここに瞬がいるの。
「こいつ飯食って薬も飲んでんじゃねえか! なんでまだお前がいんだよ! 今すぐ帰れ!!」
ぐるりと部屋を見渡した瞬はがなり立てながら部屋に入ってくる。するとまた人影が現れた。