水島くん、好きな人はいますか。
「おじゃましまーす……」
みくるちゃんまで……。なにしてるの? 学校は?
どうしてふたりが、ここにいるの。
「万代が高熱出して苦しそう、どうすればいい、ってふたりにメールしちょったけん」
思い惑うわたしに水島くんが教えてくれる。
「でもびっくりしたが。絶対お見舞いには来ると思っちょーけど、まさか授業抜け出してくるとは」
くすくすと楽しげに笑う水島くんの意図がわからない。
……どうしよう。だってこんなの、予想してなかった。
「どさくさに紛れて万代んち初ほうもーんっ……なんて、ごめんね突然」
みくるちゃんは申し訳なさそうに微笑み、瞬は大きなため息をついてから「熱は」と隣に座ってきた。
「え……あの……」
「ちゃっちゃと答えろ。熱はいつ計って病院でなんて言われた」
「びょ、病院では風邪って言われて……えと、熱は10時頃計って38度4分で、点滴して今はそんなにつらくなくて」
「午前中の話じゃねえか。もっかい計れ。んで見せろ」
その前に、と瞬が差し出してきたのはカップアイスだった。苺の果肉が入っていて、300円近くするからたまにしか買えない、いちばん好きなストロベリーアイス。
「食いたかったろ」
知り尽くしている瞬に嬉しさと悲しさが擦れ合い、胸がきしきしと音を立てたような気がする。