君の声。





水族館をうろついて、




イルカショーとか見て、子どもみたいに騒いだ。



もうずっと、
昔から、こうやって笑ってお互いの目を見ながら笑い合う事はなかった。



閉館時間が近くなって、もう帰ろうとした時、




「あ、陸ちゃん!みんなにお土産買ってこーよ!」




雪が指差した先は水族館の中にあるショップ




「何、佐原に?」



「うん!
陸ちゃんは楢橋君にでしょ?」




え、なんでアイツに。




真顔で顔をしかめると、雪が呆れた顔をして言った。




「大好きな人に、ありがとうって気持ちを込めて送るんだよ?」




大好きな人、かー‥




俺は雪の言葉に苦笑して、仕方なしに楢橋の土産を選ぶ。




ぶっちゃけどうでもいい。




‥けど、
ずっと、俺の心配をしてくれた




たった一人の親友に、




ありがとうの意味を込めて、




柄ではないけれど、アイツが喜ぶものを選んだ。










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