君の声。
「…すっかり暗くなっちゃったね‥」
「…そうだな。」
夕染めした空は、少し黒を混ぜて、
楽しい時間は終わりだと示す。
「…帰るか。」
「…うん。」
楽しい時間はあっという間に過ぎて、
現実の世界を見させる。
空は段々と、黒に染まって、
俺の事も、闇に蝕んでいく。
無言で、雪の手を力無く握る。
雪も同じくらい弱く、握り返す。
お互い無言で、
一歩、一歩と進んでいく足は鉛のように重い。
「…あのさ、」
沈黙を破って、雪に言う。
「…なに?」
「今日、は、夕食作りに来なくていいよ。」
「ぇ‥なん、で?」
一字一句、音を出して言うたび、唇が震える。
唇から出した音さえも、震えてしまわないように、
噛み締める。
「ほら、疲れただろ?色々見て回ったからさ」
「だ、大丈夫だよ?」
「無理すんなって。ゆっくり休めよ。」
「…でも、」
あぁ、雪
頼むから聞いてくれ。
これ以上、君を拒絶する言葉は言いたくない。
「俺が嫌なんだよ。連れまわしてさ‥雪に、無理させるのは。」
「…そんなこと!」
俺は狡い。
こんな風に言えば、雪が黙るしかないのは、わかっているのに。