バケバケ




その時、私の後ろにいた男の子が叫んだ。


「せんせーい!負けないで!」


するとそれにつられた園児たちが次々と叫び声をあげる。


「そんなヤツやっつけちゃってよ!」


「みよしせんせいをいじめるなー!」


シイに向かって石を投げる子供も出てきた。




「…お前、愛されてるな。わざわざトキに持ち主探して貰わなくても、ここの園児になってもらえばいいじゃん。」


石を手で払いのけながらシイが言った。


「…出来ないよ。園児にとって先生っていうのは誰か一人のための存在であっちゃいけないんだ。」


「じゃあ先生は暴力ふるっていいのか?」


「…それは…」


「どうせもう立ち上がれないんだろ。もう止めよう。」


「……まだ…」




三好先生は両手を地面に付き、体を半分だけ起こしたところで動かなくなった。


「そんな…立つことも出来ないくらい力が足りないのか…」




「みよしせんせい!!」


「がんばってー!」




茫然とする三好先生に子供たちの声援が降りかかる。



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