バケバケ
「何してるんだ?」
「僕が奪ってしまった力を戻してるんだ。」
力を戻す…?
「バカ!そんなことしたらお前…」
「いいんだよ。どうせもともと僕はそんなに長くない命だったんだ。」
「でも…約束が…」
三好先生は他の子供たちの頭を撫でていった。
「こうして、あの子の最期も…頭を撫でていたんだ。目を覚ますんじゃないかって…そう思った。」
「……」
「結局目を覚ますことはなかったんだけど…。」
「せんせい…?」
子供の一人が目を覚ました。
「あぁ、よかった。ごめんね、怖い思いをさせて。」
「悪いやつらは?」
「悪いやつらなんていないよ、悪いやつはもういなくなる。」
「せんせい…助けてくれてありがとう。」
「……」
子供は無邪気な笑顔を三好先生に向けた。
「ごめんね…ごめんね…僕は先生なんかじゃないんだ。
すごく悪いことをしたんだよ。
だから…
君たちはここにいるお兄さんお姉さんと一緒に帰るんだよ。」