バケバケ
全ての子供が無事に目を覚ました。
「ありがとう、シイくん。洋子ちゃんの力があればこの箱は中からでも壊せるはずだ。子供たち連れて脱出するといいよ。」
「お前はどうするんだ?」
「僕は…残るよ。」
「何言ってんだ、帰るぞ。」
「僕はもう力がない。帰ってもすぐに消えてしまう。せめて…子供たちに消える瞬間は見せたくないんだよ。」
「そうか…わかった。……洋子、」
「うん。」
洋子が手を合わせ、静かに目を瞑った。
遊園地の音楽がゆっくりと消えていく。
空がパラパラと粉になって、それぞれの肩に降り積もった。
「シイくん。外に出たら僕の代わりにお墓参りに行ってくれ。」
「わかったよ、名前は?」
「岡村なつき。」
「岡村なつきだな。わかった。」
「あと…もうひとつ。」
「ん?」
三好先生は俺に小さな囁く声で耳打ちした。
「好きな女の子は泣かせるもんじゃないよ。」
「は!?」
「彼女を悲しませたくなかったら、君も早く持ち主を探すんだ。
それに、君だって彼女ともっと一緒にいたいだろ?」
「違う!俺は…そういうのじゃ、ただ…」