バケバケ



「さっきは離れてろって言ったけど、やっぱ絶対に離れるなよ!」


「わかった!……シイ、危ない!」


「!」


手を繋いだ二人がすぐ近くまで迫っていた。


繋がった手を体の後ろに引く。


さっきの攻撃が来る!




「させないよ!」


子供の後ろに千秋と燕さんが飛び出した。


「シイ、挟み撃ちだ!」


「了解!」


シイが腕を振り上げる。


「俺は子供にも手加減はしないぞ。」


二人の子供は攻撃しようとしていた手を止めた。


そして二人は背中合わせになり、女の子はシイの腕を、男の子は千秋の膝と燕さんの手を弾き返した。


二人はすぐに私たちから距離をとった。


「……小さな子供相手に卑怯なのです。」


「…大人げないのです。」


「うるさい、卑怯はどっちだよ。」


シイが吐き捨てるように言った。


「シイ、わかってると思うけど、あの子供たちの能力は手を繋がないと発動しない。」


千秋がシイに耳打ちした。


「手を繋いだところにエネルギーを集中させて撃ってるみたいなんだ。」


「そうみたいだな。」




< 242 / 469 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop