バケバケ
「さっきは離れてろって言ったけど、やっぱ絶対に離れるなよ!」
「わかった!……シイ、危ない!」
「!」
手を繋いだ二人がすぐ近くまで迫っていた。
繋がった手を体の後ろに引く。
さっきの攻撃が来る!
「させないよ!」
子供の後ろに千秋と燕さんが飛び出した。
「シイ、挟み撃ちだ!」
「了解!」
シイが腕を振り上げる。
「俺は子供にも手加減はしないぞ。」
二人の子供は攻撃しようとしていた手を止めた。
そして二人は背中合わせになり、女の子はシイの腕を、男の子は千秋の膝と燕さんの手を弾き返した。
二人はすぐに私たちから距離をとった。
「……小さな子供相手に卑怯なのです。」
「…大人げないのです。」
「うるさい、卑怯はどっちだよ。」
シイが吐き捨てるように言った。
「シイ、わかってると思うけど、あの子供たちの能力は手を繋がないと発動しない。」
千秋がシイに耳打ちした。
「手を繋いだところにエネルギーを集中させて撃ってるみたいなんだ。」
「そうみたいだな。」