バケバケ
「これ…燕さんの能力?」
「……そうだ。…俺は…ずっと中森家の執事だから……主人を守る能力だ。」
「すごいね、頼もしいよ!」
「……そんなことは…ない。」
「燕、今……」
燕さんの壁は二人の攻撃を防いだにも関わらず、千秋は深刻な顔つきだった。
「………あぁ。……下の方……ひびが入ってた。」
ひび?
「どういうこと?」
「燕の壁は今まで傷一つついたことなかったんだよ。それが…ひびが入るなんて…」
「………これは……二人を引き離すだけじゃ足りないかもしれない……」
「そんな…」
「どのみちやられっぱなしじゃ勝てないだろ、俺たちもしかけるぞ。」
「よーし!じゃあ僕と燕で二人の注意を惹き付けるからその後はシイ、頼んだよ!」
「え?あ、待て!お前人間だろ、危な…」
シイの話を聞くこともなく千秋と燕さんが駆け出す。
「さっきの壁は驚きましたが……」
「所詮あの程度なのです。」