バケバケ
嘘だろ…?
俺は契約した力を使ったんだぞ!?
こいつら…外傷はある。
けど、いくら力をぶつけて威力を下げたからって普通のバケバケは今の喰らったら動けないはずだ。
持ち主の心の力が相当強かったってことか?
双子は飛び上がり、間違いなく俺に向けて攻撃姿勢をとっていた。
繋いだ双子の手の周りの空間が歪んでいる。
まずいぞ…
今の俺のこの状態であれは受け止めきれない。
どうする…
その時だった。
「シイ!」
…洋子?
洋子が俺の前に立った。
両腕を広げ、俺を守るように。
「バカ、洋子離れろ!」
洋子に手を伸ばす。
一瞬洋子と目があった。
怯えている人間の目じゃなかった。
洋子の目は強い光を放っていた。
守らなきゃ…
白い光が視界を覆う。
間に合わない…
伸ばした手は、空しく何も掴むことがないまま。
気がついたら、足下に洋子が倒れていた。
その手には、2本のネックレスが握られていた。