バケバケ
そういえばそうだ。
シイが動くと動かした箇所が切れた。
これがバケバケの力なんだろうか…
「それよりケガ!」
シイの体の至る所から血が流れている。
「あぁ…これくらいなんとも…」
「ダメだって!ちゃんと止血しないと!」
私たちは近くの公園に向かい、そこでシイの傷口を洗い流した。
「痛っ!もういいって!」
「ダメだってば、傷口から細菌入ったらどうするの!?」
シイはまだなんかぶつぶつ言ってるけど無視!
「ねぇ、シイって空飛べるの?」
傷口に絆創膏を貼りながらきいた。
手持ちの絆創膏は5枚しかなかったからひとまず大きい傷のところだけ。
「はぁ?飛べるわけないだろ。」
「だってさっきの人飛んでたじゃん。」
「あれは……たぶんバケバケの能力だ。」
「能力?」