Only you
プロローグ

雲一つない星空を一人見上げる。


一人暮らしのワンルームの部屋で窓の外を見上げながら、煙草に火をつける。


アパートの下からは車の行き交う音が聞こえる。


『今から向かう』


そう言われた電話からはまだ10分程しか経っていない。


まだ着く筈がないとわかっているのに、外から聞こえる車の音にいちいち反応してしまう。


ほんの10分が1時間に感じてしまう程、電話の主を……いや、その「連れ」を心待ちにしているのだ。


部屋にいても落ち着かない私は、煙草を揉み消しキッチンへ向かった。


気持ちを落ち着かせる為に珈琲を入れる事にしたのだ。
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