Only you
コーヒーメーカーの電源を入れ一度部屋に戻る。


珈琲が落ちるまでの時間さえも長く感じる。


待ちぼうけにほんの少し苛立ち始めた頃、静まり返った部屋の中に、コーヒーメーカーが発する音と、香ばしい薫りが漂いだした。


私はそれを合図に、外を気にしながら席を立ち、キッチンに向かった。


カップに珈琲を注いだ瞬間の薫りに、高揚した気分が少し落ち着く。


その薫りを深呼吸で吸い込むように息をつき、カップの珈琲を零さないようにしながら部屋に戻った。


部屋の中心にある座椅子に腰掛け、カップに口を付けたその時……


~~♪~~♪~~♪~~


携帯から楽しげな着信音が流れ出した。
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