お姫様と王子と男
キーンコーンカーンコーン…

待ってましたっ!!!!
放課後の時間!!!!!!!

いちいち先生を探しに行かなくても
先生に会える。
先生と話せる。

「ハルちゃんっ行くよっ」

「早いよー亜衣
 そんなに急がなくても…」

急ぐよ。
早く会いたいんだもん。

「せんせー!!!!」

私は大声で白衣の後ろ姿に声をかける。

先生が振り向く。

「おーー藤咲、鈴木。
 今日もはやいなー」

先生が私の名前を呼ぶ。(名字だけどね…)
それだけで嬉しい。

「あっそういえば藤咲
 お前こないだ水やったかーー??
 この花枯れてんじゃねーかー」

「えっ!!ごめーん先生」

だって…先生がいるからこの部に入っただけで
花のことなんて全っ然わかんないんだもん…

「ははっ今度からは気をつけろよー」

先生が私の頭をくしゃくしゃにするように撫でた。

「…っ!!」

みるみる顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。


「せんせーー!!!」

他の園芸部の子たちが来た。

先生は人気だ。
だって、かっこ良いんだもん。
園芸部に入ってる子はほとんど先生目当てなんじゃないか?
あ、ハルちゃん以外はね…

ハルちゃんには他校に同い年の彼氏がいる。

だから、私に先生なんてやめて
彼氏つくりなよーって、進めてくる。

「だってー亜衣の青春、叶わない人を3年間も
 想い続けて終わっちゃったら悲しいじゃん」

「ふふ…私は先生を想ってる時が
 一番幸せなのよー 青春してんのよー」

「えー??同じ高校生の彼氏つくって
 デートしたりいちゃいちゃしたりしたくないの?」

「うーーーん…」

「ってゆーか!!!
 亜衣には同級生にもいい相手いるじゃんっ!!」

「え…?誰??」

「王子。」

「王子…って、先生??」

「違うよ。峰岸愁。」
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

お姫様と王子と男
麻緒藍/著

総文字数/0

恋愛(その他)0ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop