短編■ 逆上ギャップ
そう、私は関村さんのように“自分の気持ちに素直になるッ”みたいな乙女な心を持っている人が、堪らなく怖いのだ。
無邪気と言う名の嵐、と思ってしまう。恐怖でしかない。
“自分の気持ちに嘘をついて良いの?”とか、“好きだという気持ちだけは伝えたいッ!”なんて言うひたむきさが怖い。
気持ちを伝えるなとは言わない。
ただ、伝えたいならば、せめて二人が二人のペースで別れてからにするべきだ。
好きな人が別れてから、“友達として”近付くなら納得だが、
まだ付き合っているのに、関係がくすんでいても二人は付き合っているのだから、そこに“友達として”相談に乗ったり仲良くしたりして徐々に割り込んでくるのは、
二人が別れる要因に少なからずあると思う。
そのような悲劇のヒロインは報われない想いに胸を痛める子かもしれないけれど、
今、着々と彼氏を奪われようとしている私の方がよっぽど悲劇のヒロインではないか。
だって――