短編■ 逆上ギャップ
知らない間にキスする直前の距離まで顔が近付いていて、喋る度に息がかかって気恥ずかしい。
『なあ礼子。怒ってんだ俺。俺だけの礼子だったのにクラスん奴ら…ムカつく。てか礼子さ、笑わせないでよ。俺ん事そんな変態だと思ってんの?』
『っだって!! 〜ごめ、ちが! でも!!』
今更否定しても遅いかもしれないが、一応フォローをすると、びっくりするくらいの笑顔があった。
笑った顔は見慣れたはずだったけれど、こんな甘い表情は初めてで――
『可愛いげがなくて意地っ張りな礼子が好きなんだ。そのままの礼子が』
ずっとずっと言われたかった言葉を――…
ドキドキした。
何も言えなくなった。
どんどん好きになった。